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フェレット

循環器疾患

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循環器疾患

 フェレットの心疾患は比較的よくみられる疾患で、一般的には中高齢に多く診断されます。
他の飼育動物同様に心疾患のフェレットは運動不耐、嗜眠、食欲の減退、咳などがみられ、重症例では腹水、呼吸困難を生じます。

 フェレットの心臓の聴診は犬猫に比較すると比較的後方で行います。正常な心拍数は180~250とされていて、犬猫に比較すると多いため、聴診によってカウントするのは難しいかもしれません。洞性不正脈の報告もあり、この場合には心拍数が極端に少なく聴診できます。
フェレットでは心雑音もよく聴取されます。心筋症による肥大からギャロップが聴取されることもあります。

 心疾患を疑う場合には病歴の聴取や全血球検査、血液生化学検査、尿検査など全体的な身体検査を行い、さらに心疾患の確定のためには心電図、胸部レントゲン検査、超音波検査などを行います。犬糸状虫症の感染地域ではこの検査も必要です。
 
 レントゲン検査では通常の2方向の撮影を行います。正常なフェレットの心臓は犬猫に比較してより楕円形に近く、6~8肋間に位置します。胸腔内の脂肪により心臓が胸骨に接していないことも多くみられます。心疾患に罹患している場合には、心臓の陰影は拡大してより円形を呈し、気管を押し上げているようにみられます。
 犬と同様にレントゲン上で心臓の大きさを評価する改良型の椎骨心臓スコア(modified vertebral heart score)が報告されています。この方法では右側方レントゲンにより心臓の長径(LA)、短径(SA)を計測合算し(VHS)、胸椎の長さと比較します。この方法によって体格による心臓の大きさを調整します。腹背像では心臓周囲の脂肪の影響から心臓辺縁が不明瞭になりがちです。側方像ではより明瞭に観察できます。側方像では心臓の長径は気管分岐の腹側から心尖部の長さになります。
VHSの平均値は右側方像で5.33 (5.23~5.47 v)です。実測値は5.35 cm(5.02~5.48 cm)です。腹背像では6.0 v(5.73~6.15 v)です。

 心電図は主に心臓の調律異常を診断するために用いられます。フェレットの心電図の各数値については既報があります。フェレット・ウサギ・げっ歯類の内科と外科第3版には下記の表のように報告されています。
 フェレットの不整脈の報告例もいくつかあり、洞性不整脈や洞性頻脈が多くみられるようです。心房性または心室性の早期収縮拍動、心房細動などが心電図上で観察されることもあります。健康な動物でも軽度のAVブロックの報告がありますが、第三度のブロックの報告例はまれなようです。
 

心臓超音波検査
 心臓超音波検査は診断法の一つとして考えられてはいるが、まだ心機能の診断の点では十分とは言えないが、形態診断や犬糸状虫診断の補助としてなど利用されている。超音波検査は鎮静を行わずに検査できる場合が多く、有益です。
鎮静下のフェレットでの心臓超音波検査の基準値が報告されています。

治療
 CHF(うっ血性心不全)などの心疾患の治療は、他の動物種の治療を参考に行われてきました。薬用量などは猫の量を参考とすることがすすめられています。
 急性のCHFでは、薬物治療よりも酸素化が優先されます。犬猫用のICUルームなどより、より小さな水槽などを利用するほうが効率的かもしれません。同時に利尿剤を投与し、容量負荷を低減させます。フロセミドが最も推奨されますが、急性期には静脈内投与がより有効です。投与量としては1~4mg/kgを8~12時間ごとに投与します。急性期にはより高用量が必要となります。フロセミドの反復投与によっても呼吸状態が改善しない場合は、持続点滴により継続的に投与する必要が生ずることもあります。この場合の投与量としては1時間当たり1mg/kgの報告があります。ニトログリセリン外用(軟膏、テープ)の有効性は限定的で、持続点滴のほうが有効と考えられます。しかし、フェレットはニトログリセリンの血圧降下作用に対する感受性が高いとする報告もあり、この薬剤の使用に関しては十分注意が必要です。
 ACE阻害剤も使用されますが、フェレットにおける十分なエビデンスは見当たりません。投与量については48時間ごとに0.5 mg/kgと記載されている書籍がありますが、この投与量に関するエビデンスとしての資料は明らかではありません。利尿剤との併用によって、純機能に負担をかける可能性があるため、事前の血液検査による腎機能の確認、および投与期間中にも定期的なモニタリングが必要です。
 慢性のCHFでは、利尿剤やACE阻害薬が使用されますが、近年新しく上市されたピモベンダンについても記載されている書籍があります。投与量としてはフロセミド1~4mg/kg,po,bid~tid、ACE阻害薬は0.5 mg/kg q24~48hとされています。ピモベンダンは0.625~1.25 mg/kg,bidとされている書籍、0.15~0.5mg/kg,bidとされている書籍などあります。効果に関する十分なエビデンスはありませんが、副作用については特に報告がありません。唯一この薬剤については、味や香りの関係からフェレットが内用することを嫌う傾向があるとされています。
 ジギタリスに関しても処方例の記載はありますが、近年この薬は第一選択としては利用されなくなっており、フェレットにおいては使用される機会は少ないかと思います。効果は用量に依存するので少量から始めるのが基本とされますが、0.01 mg/kg,po,q12~24hと記載されています。しかし、ジゴキシンのフェレットへの適用についてのエビデンスも現在見当たりません。


各論

拡張型心筋症

 拡張型心筋症の報告もみられます。一方のみの心室が侵される場合と両側の心室が侵される場合があります。原因については明らかではありません。
 全般的な診断検査、臨床症状などに加え、超音波検査によって確定診断が行われます。
レントゲン検査においても、陰影は拡大してみられることが多く、胸水や肺水腫を伴うことも多いようです。また、心筋症に関連して肝臓や脾臓が腫大することも報告されています。
 ECGにおいても期外収縮や頻脈、細動などが観察されます。
症状としては他の動物の心疾患と類似してみられます。胸水を伴うほどの重症例は緊急に徹底した処置を行わないと、救命が困難な場合も少なくありません。
 
肥大型心筋症

 肥大型心筋症もフェレットにはみられるとされていますが、学術的な報告としての資料は認められません。拡張型ほどには多くないようです。猫の肥大型心筋症に似た経過をとるとされていますが、心不全症状が現れるまでは気づかれないことが多いようです。症状を認めずに突然死を起こす例もあるようです。心筋症による血栓の形成について明確な報告はありませんが、米国では経験されているようです。
 聴診で不整脈や雑音が来かれることがあるようですが、このような状態のフェレットは頻脈(時に300/分)であることが多く、聴診での診断には習熟が必要です。レントゲン検査では心陰影の拡大を認めない場合もあります。超音波診断装置による診断が最も有効とされています。
 発症の原因については明らかではなく、猫にみられる甲状腺機能亢進症との関係は否定する考え方が多いようです。
治療については猫に対する処方を応用して行われます。β遮断薬(atenolol @ 3.125-6.25 mg/kg,po,q24 h)、カルシウム拮抗剤 (diltiazem @ 3.75-7.5 mg/kg,po, q12h) などが用いられています。

弁膜疾患

 フェレットの心疾患では、これまでの教科書などでは心筋症が比較的多く記載されていますが、近年特に中高齢のフェレットに弁膜疾患の報告例が徐々に増えているようです。
 臨床症状は他の心疾患と同様進行度合いによって異なります。
 聴診によって収縮期雑音が左側心尖部で聴かれます。右側では三尖弁の逆流が聴取されます。
 胸部レントゲン検査では心臓の肥大が見られることもあり、VHSスコアで計測を行います。
 心電図所見は肥大所見以外は定型的ではありませんが、不整脈が見られることがあります。
 心臓超音波では、罹患弁の肥厚や大動脈の拡大が見られます。大動脈の閉鎖不全による逆流が良く見られますが、この時点でも臨床症状が見られないことも少なくありません。
 心肥大や、CHFの症状の程度によって、治療を開始するかどおか、判断されます。胸腔が狭いためにCHFの症状が現れると、早期に呼吸抑制を生ずることも考えられるので、注意が必要です。明確なエビデンスはありませんが、早い段階からACEIなどでの治療を開始することを考慮してもよいかもしれません。
 
犬糸状虫症
 フェレットの犬糸状虫症感染については、自然例、実験例それぞれ複数の報告があります。犬糸状虫が常在している地域では、飼育されているフェレットは感染の危険性が十分考えられます。疫学的には犬と同様であるとする報告がありますが、フェレットの体格が小さい事から、臨床症状としてはより猫に近い事が示されています。一匹のみの感染でも相当重度の症状を呈する事が考えられます。そのため、慢性的に臓器が障害を受けて生ずる各種臨床症状を呈する事は多くはないようです。 肺動脈に塞栓を生じて突然死を呈した例も報告されています。
 レントゲン検査で心臓の拡大、後大静脈を認めることもありますが、それのみで診断にはなりません。
 超音波診断では心臓内または肺動脈内の虫体を確認できることもあります。感染の診断には、臨床症状、レントゲン所見、超音波所見などを総合して行われます。感染フェレットの抹消血でのミクロフィラリアの検出率は約50%ととする報告がありますが、より低いとする記述もあります。抗原検査も感受性が低いとされています。
 感染を起こした場合の治療は非常に困難です。近年犬に用いられているドキシサイクリンの併用については、効果は不明とされていますが、選択肢としては考慮されます。イベルメクチン、プレドニゾロンとの併用例が報告されています。成虫の駆虫は心血管系のサイズの関係から危険性が高く、実施をしないほうが良いと思われます。
 
1. Bone L, Battles AH, Goldfarb RD, et al: Electrocardiographic values from clinically normal, anesthesized ferrets (Mustela putorius furo). Am J Vet Res 49:1884-1887, 1988.
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3. Fox JG: Normal clinical and biologic parameters. In Fox JG, ed.: Biology and Diseases of the Ferret. Philadelphia, Lea & Febiger, 1988, pp 159-173.
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6. Stepien RL, Benson KG, Forrest LJ. Radiographic measurement of cardiac size in normal ferrets. Vet Radiol Ultrasound 1999, 40: 606-610
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