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フェレット

泌尿生殖器疾患

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泌尿生殖器疾患

 フェレットの泌尿生殖器疾患については、書籍にはいろいろな疾患名が書かれていますが、純粋な泌尿生殖器疾患としては尿路結石症が時折見られる程度で、他の疾患に付随して見られる徴候であることが多いように思います。


尿道閉塞

 尿道が完全に閉塞を起こすと危険な状態に陥ることもあるため、緊急に処置を受ける必要があります。主には雄のフェレットで問題となりますが、稀には雌のフェレットでも、大きな結石による閉塞例の報告もあります。早急に解除をしないと代謝障害から死にいたる例もあります。
 徴候としては排尿困難、乏尿、頻尿、尿漏れ、尿焼け、血尿などがみられます。陰茎部をしきりに舐めるしぐさを認めることもあります。
 導尿に関しては、尿道カテーテル法の項を参照してください。カテーテルの挿入ができたら、膀胱内の洗浄を考慮します。カテーテルの留置に関しては定法に則って行います。
 雄のフェレットでは包茎状態の個体も時に見られます。この場合にはカテーテルによる導尿が困難となりますので、包皮の切開が必要となることもあります。包茎の場合や、カテーテルの挿入が困難な場合は、膀胱穿刺による排尿を行う必要が生ずる事もあります。
 閉塞を繰り返す場合やカテーテルの挿入が困難な場合には、造瘻術が必要となることもあります。
 尿道閉塞を生ずる原因としては尿路石結症のほか、副腎疾患に起因して生ずる前立腺疾患による場合も多くみられます。前立腺は尿道を取り囲むように位置しているため、前立腺の炎症や腫大によって尿道が圧迫され、尿の排泄が困難となります。
 尿道の閉塞が見られる場合には、採尿ができれば尿の検査を行うことが一般的かと思います。尿路石結症は尿の検査である程度判断可能です。副腎疾患に起因して前立腺疾患を生ずる場合には、副腎疾患のその他の徴候が見られることが多いと思われます。

 全身状態が悪い個体では電解質異常を生じている可能性がありますので、血液ガス・血液生化学検査を行うことが勧められます。


尿路結石症

 書籍によって尿路結石症は、「relatively uncommon」と書かれているもの「relatively common」と書かれているものがあります。比較的近年の書籍には、質の良い専用のフードを用いていれば発症は稀だと書かれています。しかし、国内で飼育されているフェレットの多くは専用のフェレットフードを与えられている場合が多いと思いますが、それでも尿路石結症の発生は見られます。
 フェレットの尿路石結症で多くみられるのはストラバイトとされていますが、リン酸アンモニウムマグネシウムやシュウ酸カルシウムもみられます。植物性タンパク質を多く含むフードでは、尿のアルカリ化を生じやすく、尿路石結症を発症しやすいとされています。この点から、動物性タンパク質を中心とする近年の良質なフェレットフードでは発症が少なくなってきているとされています。

 尿のpHは食餌、特にタンパク質の影響を強く受け、動物性タンパク質は酸性尿を生じやすく、植物性タンパク質はアルカリ性尿を生じやすいようです。ストラバイト結晶は尿のpHが6.6以上で生じやすいとされています。欧米では新鮮な生肉を主原料とした餌を与えられている場合も多く、このようなフェレットでの尿路石結症の発症は稀なようです。健康なフェレットの尿のpHは6.0~7.5とされています。良質のフードを給餌されているフェレットではやや酸性寄りの尿を生成するようです。

 臨床症状としては、努力性排尿、乏尿、頻尿、血尿、尿漏れなど尿道閉塞と類似しています。

 フェレットの体は細長く柔らかいので、触診でも膀胱内の結石や砂粒に触れることができる場合もありますが、レントゲン検査が有用です。膀胱内だけでなく、尿道全般を見ることが重要ですが、ごく小さな砂粒などでは十分確認できない場合もあります。ごく小さな砂粒状の結石は超音波診断装置で確認できる場合があります。
 
 治療は尿の通過を良化させ、膀胱炎などを併発している場合はこれらの治療を行います。結石が大型で膀胱内にある場合、膀胱切開による摘出が必要となります。繰り返し結石を生じたり、前立腺疾患を併発して尿道の通過が困難な場合など、尿道瘻形成術が求められることもあります。

 結石が大きく、内科的な治療が難しい場合には膀胱切開も検討されます。摘出した結石の成分分析を行い、膀胱粘膜から採材して細菌培養と感受性検査を行うとよいでしょう。術前から抗生物質の投与を行う場合もありますが、この場合は広域スペクトルの抗生物質を用いて、感受性検査が明らかとなった時点で変更を考慮します。抗生物質は最低でも10日以上は使用し、尿検査、尿の培養検査を適宜実施します。

 食餌を良質の動物性たんぱく質を中心としたフェレットフード、または良質のキャットフードに変更します。尿酸性化薬や犬猫用の療法食による再発防止効果については、まだ検証が必要と思われます。 Hill'sのS/DやロイヤルカナンのSOなどの効果は期待できないとする報告もあります。これらのフードに用いられているタンパク質は、フェレットに長期間与えるには適していないとされています。


膀胱炎
 
 細菌性の膀胱炎は稀だと書かれている書籍もありますが、犬猫同様とされているものもあります。実際には細菌性膀胱炎に遭遇する機会は、多くない印象です。検出される細菌は黄色ブドウ球菌S. aureus、プロテウス属、大腸菌E. coliなどが報告されています。膀胱炎が見られた場合には、潜在的な疾患を有することがおおいため、注意が必要です。
 感染の初期には症状は見られないことがほとんどで、進行して明らかとなります。認められる症状としては頻尿、排尿困難、血尿、などがあげられます。症状が進行すると、食欲低下を認めることもあります。
 犬猫の膀胱炎では、採尿をして尿検査、培養、感受性検査などを行いますが、無菌的な採尿は、まず雌では困難、雄でも難しいため、膀胱炎を疑うような症例では実施される機会は少ないと思います。排尿後の尿を採取できればそれでも尿検査は可能です。
 正常なフェレットの尿のpHは約6.0です。肉食の傾向が強いためか、やや酸性に偏っています。膀胱円程度で歯、血液生化学検査の結果には影響しない場合がほとんどですが、感染が進んでいる場合には、炎症性の白血球像が見られることもあります。
 やはり膀胱炎を疑う症状がみられた場合は、その他の疾患の可能性を考えて、腹部全体の検査を行う方がよいように思います。レントゲン検査、超音波検査などは容易に実施可能ですから、まず行うべきです。
症状としては、頻尿、排尿困難、血尿、尿の濁り、尿臭の変化などが見られます。

 治療としては広域スペクトルの 抗生物質をまず投与し、培養を行っている場合には結果によって変更します。一般的には抗生物質による治療は10日以上継続する必要があります。多くの例では短期間の抗生物質投与で改善しますが、重症例では更に長期間の投与が必要となる場合もあります。

異所性尿管

 現在まではフェレットの異所性尿管の報告例はありますが、多くは無いようです。診断されていないだけなのか、犬猫に比較して少ない疾患なのかはまだ十分検証されていないので、不明です。
 症状としては尿失禁、尿焼などがみられます。
 尿路造影によりレントゲン検査を行うことで診断が可能です。
 外科手術により治療されますが、手術後にも尿失禁が残ることも考えられます。犬の例では術後ホルモン製剤の投与でコントロールできる例もあるようです。

腎嚢胞性疾患

 腎嚢胞性疾患は従来亡くなったあとに剖検などで確認されることが多かった疾患ですが、近年は超音波診断などの診断機器が利用されるようになって、通常の健康診断などの際に明らかになることも多くなっています。腎嚢胞性疾患は臨床家の間ではよくみられるとされている疾患のようですが、十分な検証は行われていません。ある研究によれば、10%程度のフェレットが腎嚢胞性疾患に罹患しているとされています。超音波診断が行われるようになってより多くのフェレットが罹患していることが明らかになってきているとも言われています。発症率などについて統計的なエビデンスは得られていません。腎嚢胞は他の疾患から二次的に生ずることも多いと言われます。
 腎嚢胞性疾患の治療についてのエビデンスは無く、経過観察される場合が多いようです。他の疾患を併発している場合にはその治療を考慮します。人の領域では単独の嚢胞は問題となることは少ないとされていますが、それがフェレットにも当てはまるかどうかはわかりません。人でも突然の破裂、出血などは報告されているようです。嚢胞が大きくなったり、痛みを生じていることが疑われる場合は摘出を考慮する必要があるかもしれません。
 人では難病指定となった多発性嚢胞腎に似た疾患の報告もあります。人では遺伝子異常による疾患とされているようですが、フェレットでは明らかではありません。嚢胞が多発することから腎機能の低下を招くことが考えられます。報告例のあるフェレットでは痙攣発作を起こした際に多発性嚢胞腎が診断されましたが、因果関係については明らかとされていません。

腎腫瘍

 フェレットの腎腫瘍の報告は少ないようです。移行上皮癌や腺癌、腺腫、などの報告があります。
 移行上皮癌は尿路上皮の新生物(癌)で、フェレットでは腎うでの発生が多く報告されています。
 腺癌、腺腫は多くは報告されていません。悪性の腺癌などは顕著な症状を呈さずに拡大・転移を起こし、死後の剖検で明らかとなった例が数例あるようですが、治療に至る例はほとんど報告がありません。
 腺癌の症例では、血尿、乏尿、排尿困難などが報告されています。
 診断には、腹部の触診や尿検査、画像診断などが用いられます。超音波診断では腎嚢胞などとの鑑別が重要です。確定診断には生検が必要となります。原発性の腫瘍に対しては腎臓の摘出または腫瘍部分の切除が行われます。
腎腫瘍の症例の報告自体が少ないため、化学療法については十分な情報は得られません。


腎盂腎炎 

 腎盂腎炎は細菌感染を原因とする腎盂および腎実質の炎症のことで、フェレットでは稀な疾患ですが、膀胱炎や膀胱結石、泌尿器系の感染性疾患から継発することが多いようです。
 臨床症状としては食欲の低下、元気の消失、発熱などがみられます。
 診断には尿検査、血液検査を実施します。尿沈さに赤血球、白血球、円柱などが観察され、細菌を認めることもあります。細菌培養により抗生物質の感受性検査を行うこともあります。血液検査では全血球計算や血液生化学検査を行いますが、生化学検査では特徴的な変化は少ないようです。CBCでは白血球増多が見られることがあります。腎盂腎炎に特徴的な症状が乏しいために、膀胱炎などと鑑別が困難な場合も多いようです。
 食欲が低下または廃絶している動物では、静脈留置による補液が必要となります。加えて抗生物質や鎮痛剤を投与し、必要に応じて強制給餌を行います。


水腎症

 水腎症とは、尿によって腎臓が拡張してしまった状態のことで、主に尿路の閉塞により腎臓に対して圧力が加わることで発生します。以前は稀な疾患とされていましたが、近年報告例が散見されます。腎臓の腫大にともなって腹部の膨満が生じて飼い主が気づくことが多いようです。この時点でもその他の症状は見られないことが多いです。不妊手の際に間違って尿管を結紮して生じた例が報告されています。
 診断にはレントゲン検査、尿検査などを実施しますが、二次的に臓器障害を生じていることも考慮して、血液生化学検査や全血球計算が実施されます。
 治療としては罹患側の腎臓を摘出しますが、他方の腎臓が正常に機能しているかどうか確認する必要があります。


間質性腎炎

 フェレットでも間質性腎炎の報告例はあり、比較的慢性に経過する疾患で、高齢になるに従って診断されることが多くなります。他の疾患の徴候の一つとして観察されることが多いようです。
 症状としては多飲、多尿、体重の減少などが報告されていますが、非定形的で診断にはつながりません。フェレットにしばしば報告されているアリューシャン病では糸球体腎症を呈することがあり、間質性腎炎と似た症状を示します。
治療は基礎疾患の治療および保存療法としての輸液を行います。炎症に対する治療としてステロイド剤の使用の有効性は明らかとなってはいません。犬猫の腎障害に処方される療法食による食事療法についても有効性は示されていませんが、一つの選択肢かもしれません。
 通常長期に及ぶと腎機能が低下し、重度の場合には腎不全に至る場合もあります。


前立腺嚢胞

 前立腺疾患はフェレットには比較的多く、特に高齢のオスのフェレットでは、副腎疾患の影響で腫大した前立腺により尿道の狭窄を招く例が多くみられます。 去勢手術を行っていないオスのフェレットには前立腺疾患は多くはないと報告されています。
 副腎疾患は前立腺嚢胞の形成にかかわっているとされていますが、詳細な成因については明らかとはなっていません。
 前立腺疾患の発生は副腎疾患と大きくかかわっていることが考えられるため、その発症時期も中高齢である場合が多いようです。
 前立腺疾患では泌尿器の異常を伴うことが多いことから、症状も他の泌尿器疾患に類似していて、頻尿、血尿、排尿困難、無尿などがみられます。罹患フェレットはしきりに陰部をなめるしぐさをみることもあります。副腎疾患の症状である脱毛、掻痒が見られる場合もありますが、そこまで進行していなくても前立腺疾患が先行して見られる場合も多くあります。前立腺の腫大により尿道の閉塞を生じた場合は、食欲が低下し、沈鬱状態となる場合もあります。重度の場合は緊急に尿道を開通させる処置が必要となります。
 前立腺の腫大が大きい場合には触診で触知できる場合もありますが、大きさに変化のみられない場合も多く、触診やレントゲン検査では明らかにできないこともあります。このような例では超音波診断によって前立腺の異常が診断される例もあります。超音波診断では低エコーから無エコー性の内容物が観察されます。
 前立腺疾患はフェレットの尿道閉塞の原因としてよくみられます。前立腺の腫大が重度の場合には減量手術などが行われます。
 現在、副腎疾患の内科治療には合成生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)でであるリュープロレリン酢酸塩が最も多く使用されています(100 to 250 μg/kg/月 IM)。高用量リュープロレリン酢酸塩の投与が前立腺の腫大を軽減させるとする報告もあります。
 ヒトの前立腺がんに用いられる抗アンドロジェン物質が有効だとする報告もありますが、肝毒性に注意が必要です。抗エストロゲン薬もリュープロレリンと併用する形で用いられています。


前立腺炎,前立腺膿瘍

 フェレットの前立腺炎、前立腺膿瘍の発症の要因は明らかではありませんが、副腎疾患による尿道の通過障害から細菌感染を生じて発症する可能性が指摘されています。このことから本疾患は中高齢の去勢済みフェレットに多く報告されています。
 症状としては陰茎からの白色ないし淡黄色の排出物が確認されることがあります。排尿時に同様の排出物を混じていることもあります。膿瘍により前立腺が腫大すれば、嚢腫と同様に触診で触知されることもあります。
血液生化学検査には異常が見られないことも多く、全血球計算では炎症性の白血球像がみられることがあります。尿検査の結果はまちまちで、尿に細菌や炎症性細胞が見られない場合も多く、これらが認められる場合でも尿検査だけでは他の泌尿器疾患との鑑別は困難です。超音波診断では低エコー性から無エコー性の内容物が認められます。
 治療としては前立腺内に十分分布しうる、脂溶性抗生物質(強化サルファ剤、フルオロキノロンなど)を投与します。培養感受性検査を行った場合には、その結果に基づいて抗生物質を4-6週間以上投与します。しかし、それでも抗生物質が前立腺内に十分分布されることが困難なことから、療法には反応しない症例も多く、外科処置が求められることもあります。
 外科処置に際しては副腎の切除も行われることが一般的です。処置方法としては大網固定術、造窓術(腹壁)などが行われています。
 外科手術に際しては術後の腹膜炎の併発に十分注意が必要ですが、造窓術では比較的併発相は少ないとされています。
 予後はあまり期待できるものではなく、腫大が大きいほど予後は悪い傾向があります。


エストロゲン誘発性貧血

 雌のフェレットは、発情が持続し長期間エストロゲンが分泌されると骨髄での赤血球産生を抑制して、再生不良性貧血に陥る危険性があります。このため多くのフェレットがごく若い時期に不妊手術を受けています。
 発情が1ヶ月以上に及ぶと非常に危険性が高くなるとされており、再生不良性貧血にまで陥る例は全体の半数に及ぶとも言われます。生後6-8ヶ月で雌のフェレットに不妊手術を行うことで再生不良性貧血に陥ることは防ぐことができるとされていますが、多くの繁殖家は出荷前の6週齢程度で行っています。不妊手術を行っていない雌のフェレットが発情期に入った場合、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)またはヒト柔毛膜性ゴナドトロピン(HCG)を投与して排卵を誘発させる必要があります。40-60日後に再び発情を起こすことがありますが、その際には再度GnRHまたはHCGの投与が必要です。雄のフェレットと交尾させることでエストロゲン誘発性貧血に陥ることは避けられますが不確実です。
症状としては白血球数の減少、貧血、血小板減少などを生じ、血液凝固障害を起こします。従来よりフェレットは発情が持続することによるエストロゲン誘発性貧血の影響を受けやすく、多くは死に至るとされていましたが、回復する雌のフェレットも散見されます。このような個体はエストロジェンに対する感受性が低い事が推測されます。
 背側部や尾部に両側性対称性の脱毛、外陰部の腫脹をみとめることもあり、副腎疾患との鑑別が必要です。外陰部からは粘液濃性の排出物をみとめることもあります。症状が進むと食欲が無くなり、細菌感染を生じて、膣炎、子宮蓄膿症などを呈することもあります。重症例では感染が全身に及び、肺炎や神経症状を呈することもあります。
 粘膜が蒼白になり、心雑音が聴かれることもあります。血液凝固障害から出血を起こすと死に至ることもあり、注意が必要です。血液凝固障害の徴候としては皮膚や粘膜に点状出血や出血班がみられます。種か肝内に出血が見られた場合には、下血を認めることもあります。脳や脊髄の出血から麻痺を生じた例も報告されています。
 雌のフェレットにおけるエストロゲン誘発性の骨髄抑制の診断は、不妊手術の有無や、臨床経過の聴取、外貌上の変化、血液検査などにより行います。血液のヘマトクリット値(PCV)が20%を下回る場合に、本疾患が疑われます。外陰部からの排出物の塗沫染色により白血球や細胞成分、細菌などが認められる場合、子宮蓄膿症が疑われます。
 治療としては、原因となっているエストロゲン分泌を止めることが必要です。不妊手術を行っていない個体では子宮卵巣切除を行います。貧血が重度な場合は、術前に輸血が必要になることもあります。フェレットでは、犬や猫、人に認められるような血液型は報告されておらず、同一個体から複数回の献血を受けても安全とされています。複数個体からの輸血の安全性も否定はされていませんが、念のため避けたほうがいいかもしれません。
 PCVが25%以上ある場合は、内科的に発情サイクルを休止させることで治療が可能です。GnRH 製剤20 μgまたはhCG製剤50–100 IUの筋肉内投与を行います。PCVが15–25%の場合は輸血が必要となる場合もあり、予後の程度はやや低下します。PCVが15%を下回る場合はさらに予後は悪く、複数回の輸血が必要になることもあります。


卵巣遺残

 この疾患は卵巣摘出術の不備から生ずるものです。
 残存する卵巣組織から繁殖期にホルモン分泌が盛んになるため、症状も季節性に見られます。ホルモン分泌が多ければ、骨髄抑制を起こし、重度の貧血を呈することもあります。
 繁殖期に症状が顕著となって診察を受ける例が多いようです。繁殖期には遺残した卵巣の活動が活発となって性ホルモンを分泌します。遺残した卵巣の大きさやホルモン分泌の程度によって、多量のエストロゲンが分泌されるようであれば骨髄の抑制を起こし、貧血を生じます。貧血を生ずる前に外陰部が腫大して診察を受ける例も多いですが、副腎疾患との鑑別が必要です。鑑別診断には血液検査、超音波診断がまず行われます。
 本疾患が疑われた場合には、従来はプロゲステロンやhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)などが用いられていました。一度の投薬で効果が得られない場合には再投与が必要となります。近年ではデスロレリンの投与が行われています。根治治療としては外科的に遺残した卵巣の摘出手術が推奨されます。


乳腺炎

 過程で飼育られるフェレットの多くが不妊手術を実施されていることから、乳腺炎は比較的まれで、報告例の多くは実験動物によるものです。乳腺炎は授乳による刺激が原因で発症することが多く、授乳する個体数が多い場合や、成長に伴って授乳量が増えた場合に起こる傾向があります。
 乳腺は固く腫大し、発赤、疼痛を認めることもあります。乳汁に色調の変化がみられることもあります。治療が行われなければ、一つの乳腺だけでなく他の乳腺へも炎症が広がり、重度になれば化膿も生じます。
 治療としては全身性の抗生物質投与を行いますが、十分な効果が得られない場合も少なくありません。化膿から壊疽に治る重症例では、外科的に患部を切除する必要があります。同時に静脈内輸液、抗生物質の投与、鎮痛剤の投与も行われます。授乳中子供がいる場合は授乳を中止し、人工哺乳に切り替えます。


子宮蓄膿症
 ペットとして飼育される雌のフェレットは大多数が不妊手術を実施されているため、子宮蓄膿症になる例はごくまれです。繁殖用フェレットや実験動物での症例が大半になりますが、病態は犬猫の例に類似しています。
 子宮蓄膿症が疑われた場合は骨髄抑制を生じていないか確認することが重要です。
 罹患フェレットには、元気・食欲がなくなり、発熱を認め、外陰部から膿性の排せつ物が見られることもあります。触診およびレントゲン検査、超音波診断で、拡張した子宮を認めることもあります。
 臨床症状や画像診断で診断は比較的容易です。血液検査では白血球数の増加、好中球増多が見られることが多いですが、全く変化のない場合もあり、高エストロゲン血症を伴う場合には、白血球に減少がみられることもあります。
 高エストロゲン血症を伴う場合には第一にその治療を実施します。このコントロールが奏功したのちに子宮卵巣摘出術を行います。抗菌剤による治療は有効である場合は少ないですが、ジノプロストトロメタミンによる内科療法の報告があります。


乳熱(産褥麻痺)

 乳熱(産褥麻痺)は多数の胎児を妊娠しているメスのフェレットにおいて、妊娠末期に多くみられる病態です。あるいは胎児数は少なくても栄養状態が悪い場合にみられます。必要な栄養素の不足から代謝異常を生じて高脂血症、低血糖、ケトーシス、肝リピドーシスなどを生じるとされています。ペットとして飼育されているフェレットの多くが不妊手術を行っていることから、実際に遭遇するのはまれな疾患です。
 臨床症状としては食欲の低下、沈鬱などを比較的急性に発症し、脱水や低カルシウム血症の結果としてのけいれん発作がみられます。血液検査では貧血、低たんぱく、高窒素血症、低カルシウム血症、高ビリルビン血症、低血糖などがみられます。
 重症例では積極的な治療が必要となります。在胎中であれば帝王切開が必要になるかも知れません。
静脈留置を実施し、輸液により電解質バランスを改善し、傾向的に採食できない場合には、カテーテルによる強制給餌を行うこともあります。
 予後は比較的に悪い傾向があり、繁殖の可能性のある雌に対しては周産期に十分な栄養補給を行うことにより発症を予防することが重要です。数時間の絶食でも発症する例があることから、常時採食ができるようにしておく必要があります。飲水も十分に与えておきます。


乳汁分泌不全

 乳汁分泌不全発症の要因は明確ではありませんが、栄養状態や環境要因などが挙げられています。新生子数が多いために母乳が不足する状態は、厳密には乳汁分泌不全とは分類されませんが、新生子は同様の状態に陥るために対処が必要です。
 原因と考えられる状況を改善し、母親には良質のえさを十分に給餌します。必要に応じて人工哺乳も考慮します。


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