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フェレット

フェレットの救急疾患

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フェレットの救急

低血糖
 低血糖はフェレットに多く見られる臨床症状で、膵島細胞腫瘍(インスリノーマ)がフェレットの低血糖の原因として最も多いものです。その他の原因としては敗血症、新生物、食欲を取れずにいた場合、肝疾患、その他の代謝性疾患なども鑑別が必要です。
 インスリノーマを原因とする低血糖は、2-3歳以上のフェレットに多くみられるもので、幼若なフェレットには多くありません。インスリノーマは初期には症状が徐々に進行し、飼い主が気づくことができない場合も多いです。初期症状としては後肢の脚弱、全身性菌骨格系のい脆弱化、流涎、沈うつ、歯ぎしり、口元を掻くしぐさ、けいれん発作などが見られます。犬の患畜では非常によくみられる低血糖に起因するけいれん発作は、フェレットでは多くはありません。
 2歳以上のフェレットで上記の症状を呈している場合は必ず血糖値の測定を行ったほうがよいでしょう。緊急時には、試験紙や簡易血糖計を用いることもできます。フェレットの絶食時の血糖値は65~112 mg/dLとされています。血糖値が65 mg/dLを下回り上記の臨床症状がみられる場合は、インスリノーマが疑われます。血糖値が40 mg/dLを下回る場合は、沈うつから虚脱さらには昏睡状態に陥ることもあります。
 低血糖性の虚脱の場合は、50%ブドウ糖(0.5~2mLを希釈)をゆっくりと静脈内へ投与し、改善がみられるまで続けますが、最大量は2mlとした方がよいでしょう。治療の初期の目的は状態を安定させることで、低血糖を完全に回復させることではありません。ブドウ糖の静脈内への投与速度が急激すぎると膵臓腫瘍を刺激し、多量のインスリン分泌を生じて反跳性低血糖を生じてしまいます。初期治療で安定が得られたら、静脈留置して、2.5~5%ブドウ糖の持続点滴を始めます。けいれん発作を伴う場合は、ジアゼパムを投与します。ジアゼパムは投与量にも制限があり、呼吸抑制の心配もあることから、これにかわってミダゾラムを用いることもできます。経口投与が可能となったら、プレドニゾン0.5~2mg/kg,PO,bidの投与を始めます。プレドニゾンは末梢組織でのグルコースの取り込みを阻害し、さらに糖新生を刺激します。最小限の量から投与を始め、70 mg/dL の血糖値を維持できるように調整します。
 ジアゾキシド(Proglycem®)はインスリン過剰による低血糖に対して用いられる薬剤です。ジアゾキシドは膵臓でのインスリン分泌を直接阻害する。ジアゾキシドはまた細胞内へのブドウ糖の取り込みを阻害することで血糖値を保つ作用があります。経口投与が可能で、投与量は5-30mg/kg,PO,bidとされています。臨床症状が改善した場合は、ブドウ糖の静脈内投与量を徐々に減らしてゆきます。ブドウ糖輸液を終了しても、血糖値は定期的に測定します。輸液を終了した後も24時間ほどは入院させ、血糖値の変化を観察するとよいでしょう。ジアゾキシドを併用する場合は、プレドニゾンの投与量を減らすこともできます。栄養補給も重要で、動物性たんぱく質を主体としたフェレットフードまたはキャットフードを与えます。砂糖や炭水化物を多く含むもの、果物などは与えないほうがよいでしょう。炭水化物を多く含む食物の摂取は、直後には血糖値を上昇させますが、リバウンドを起こして低血糖を生じ、症状が悪化することもあります。
 低血糖発作を起こすフェレットの中には、薬物療法のみでは再発をみることもあります。ブドウ糖の投与を行わないと血糖値が維持できない場合には、外科手術も考慮します。外科手術では膵臓にある腫瘍の切除を行います。腫瘍は眼に見えない小さなものもあるため、外科手術によって一部腫瘤を切除しても完治が望めるものではありません。低血糖が内科的に管理できないフェレットでは、外科的に治療した場合でも予後は8-12カ月と言われています。

貧血
 貧血はフェレットでは比較的多くみられる状態です。まず貧血が見られた場合は、再生性か非再生性かを診断します。他には出血、溶血性貧血、慢性疾患などを考慮します。
 出血の原因としては消化管潰瘍(ヘリコバクター感染、毛球症などに起因する)、外傷、消化管ポリープ、殺鼠剤の誤食、腫瘍からの出血も考えられます。不妊手術を行っていない雌の場合には、エストロゲン中毒により骨髄抑制が起こり貧血を起こすこともあります。慢性腎不全やアリューシャン病でも貧血を起こします。自己免疫性溶血性貧血も原因としてかなえることはできますが、フェレットでは診断が困難とされています。
 貧血の症状は粘膜の蒼白、活動性の低下、消化管その他からの出血など比較的わかりやすいと思います。外陰部の腫脹や脱毛はホルモンの失調が疑われます(副腎疾患や卵巣遺残など)。貧血の原因診断には、全血球検査、血液生化学検査、レントゲン検査、腹部超音波検査などを行い、さらに非再生性貧血が疑われる場合は、骨髄穿刺が必要となります。貧血の治療としてはまず早急に状態を安定させ、原疾患の治療をすることが基本ですが、状態の寄っては輸血やOxyglobin®(Biopure Corporation,Cambridge, MA) 投与を考慮する必要があるかもしれません。
 フェレットでは血液型が明らかとはなっていません。同一個体からの輸血であれば3回までは安全だと考えている獣医師もいるようです。供血フェレットからの採血量は1度に体重の1%未満にとどめた方がよいようです。採血に翼状針を用いる場合は、内部を抗凝固剤(ACD)などでプラッシュします。注射器には血液6mlに対して1mlのACD液を入れておきます。輸血用のラインにはフィルターを設置し、溶血を避けるため留置針は22Gより大きいものを使用したほうがよいでしょう。Oxyglobin® は酸素運搬能を持ち、コロイド溶液の代わりにもなります。Oxyglobin®はフェレットでの使用報告もあり、効果が認められているようです。Oxyglobin®の投与にはフィルターが必要でなく、24Gの細い留置針も使用可能です。
 血液量が優位に減少している場合は、輸液が必要になる場合もあります。ただし貧血状態にあるだけに、過度の血液の希釈が生じないように注意が必要です。消化管内の出血が疑われる場合は、抗潰瘍薬や消化管保護剤などが必要となります。消化管内腫瘍など、特定の部位から持続的に出血がある場合は、外科的な処置が必要となるかもしれません。

呼吸困難
 フェレットにも呼吸困難を生ずる疾患はいくつか考えられます。心疾患、胸水、膿胸、インフルエンザ、胸腔内腫瘤などが鑑別の対象となります。これらの疾患の中で、心疾患はフェレットには比較的多くみられる疾患で、嗜眠、運動不耐、努力性呼吸、食欲低下、体重の減少、咳、腹水などがみられます。聴診によって不整脈や雑音が聴かれることもありますが、フェレットは呼吸性洞性不整脈がみられることもあります。呼吸状態が悪い場合は、改善するまで詳細な検査は留保したほうがよいでしょう。
 胸腔内腫瘤はリンパ腫や膿瘍、肉芽腫などが考えられます。巨大食道では誤嚥性肺炎を起こしやすく、呼吸困難を起こすこともあります。胸水が見られる場合、原因としては心疾患、新生物、犬糸状虫症などが考えられます。レントゲン検査が診断に有用である場合が多いですが、胸腔穿刺を行う必要があるかもしれません。

泌尿器系の救急疾患

閉塞性尿路疾患
 2歳以上の雄のフェレットによくみられます。雄のフェレットに見られる尿道閉塞は副腎疾患に起因していて、過剰に分泌されるアンドロゲンが尿道周囲の前立腺組織を刺激し、その結果前立腺組織が腫大して尿道を圧迫することにより排尿が困難となります。尿道閉塞を起こしたフェレットは排尿困難、頻尿がみられますが、原疾患の副腎疾患の症状が合併する場合が多いです。尿道閉塞が進めば無尿となることもあります。
 尿道の閉塞が疑われる場合には、尿検査、尿の培養検査、腹部超音波検査などがおこなわれます。血液生化学検査、全血球検査も行ったほうがよいと思われます。
 完全に閉塞している場合は早急に解除する必要があります。その後、原疾患への治療を行います。閉塞を解除する際に尿道カテーテルが必要となることもあります。フェレットの外尿道口は薄い被膜のようになっているため、カテーテルが入りにくい場合があります。また暴れる場合には麻酔が必要となります。フェレットの外尿道口は陰茎骨の尖端から数ミリのところにスリット状にあり、犬や猫などとは印象がだいぶ異なります。フェレットに用いる尿道カテーテルとしては、猫用のカテーテルでは太い場合が多いため、留置針の外筒を使うとよいでしょう。24Gであれば刺入可能で、これを陰茎骨から離すように持ち上げることで尿道を広げることができますから、フィーディングチューブなどのより太いカテーテルも挿入が可能になります。またトムキャットなどに比較してフィーディングチューブのほうが腹部への固定などの際に使いやすいと思います。
 カテーテルを挿入したら包皮に縫合糸でとめますが、フェレットでは犬と同様に外尿道口が前方に向いていますので、カテーテルは腹部に巻きつけるようにテーピングするとよいでしょう。執拗に噛もうとする傾向が強いため、カラーの装着は必要となると思います。
 外科手術が必要となることもあります。尿道への圧迫を解除するために、前立腺の造袋術を実施することもあります。膀胱結石などが原因となって繰り返し尿道閉塞を起こす場合は、尿道瘻形成術が必要となることもあります。


消化器系の救急疾患

消化管内異物
 異物による消化管の閉塞はフェレットには非常に多くみられます。フェレットはゴムやスポンジのようなものをかむことが好きで、主に2歳例以下の若いフェレットがこれに起因して腸閉塞を起こす傾向があります。高齢のフェレットでは被毛による毛球症が多くみられる傾向があります。フェレットでは糸状の異物による腸閉塞は少ないとされています。
腸閉塞を起こすと、食欲が低下し、活発さが無くなり、時には少量の下痢を認めることもあります。消化管内異物のフェレットが嘔吐をおこすことは稀だとされていますが、その比率についての明確なエビデンスは見当たりません。歯ぎしりが見られる場合は、異物や胃潰瘍など腹部に何らかの異常を生じていることが考えられます。
 一般的な身体検査でも消化管内異物や腸閉塞の暫定的な診断は可能です。フェレットの体は細長く柔らかいために、触診で消化管を触診することは可能です。異物を触知できない場合でも、閉塞がある場合はフェレットが痛みを訴えることも多い事から判断できます。レントゲン検査で同じような画像が得られた場合でも閉塞をしている場合、していない場合があります。消化管の通過が悪くなっている程度であれば、積極的な輸液によって徐々に通過させることができる場合もあります。胃は一部胸郭内にあるため、胃内毛球症や胃内異物は触診での診断は難しい場合が多いです。確定診断にはレントゲン検査が有用です。閉塞を起こしているフェレットでは胃にガスが貯留し、閉塞部位では腸管の拡張がみられます。閉塞物の性状によってはレントゲン上で確認できる場合もあります。超音波診断も有用です。通常造影は行われませんが、単純レントゲンや超音波診断で確定できない場合には用いられることもあります。
 外科手術が必要とされる場合でも、フェレットの全身状態がよくない例が多くみられます。そのような場合は事前に安定化させる必要があります。消化管の閉塞を起こしているフェレットは脱水状態にあることが多く、術前の輸液は必要とされます。術式は他の動物とかわりはありませんが、フェレットは体格が小さいために低体温に陥りやすいので注意が必要です。フェレットに限らず、小型の動物では術中の保温は非常に重要です。
 術後の覚醒は比較的早いですが、静脈内輸液はしばらく継続したほうがいいでしょう。鎮痛剤、消化管保護剤なども用いられます。術後24時間後には流動食の給餌が可能になりますが、その後1-2日間は入院管理をした方がいいでしょう。


ワクチンの副作用
 ペットのフェレットには一般的にジステンパーワクチンの接種が推奨されています。フェレットはワクチンによる副作用としてアナフィラキシーを起こしやすいとする資料もありますが、エビデンスレベルとしては低いものです。しかし国内で利用できるワクチンはフェレット専用のものはなく、犬用の多価ワクチンを転用するしかありませんので、注意が必要です。現在日本国内でのジステンぱーの発生状況やフェレットにおいて感染した場合の危険性、副作用の問題などを総合的に考えて、毎年の接種を行うかを判断されるといいでしょう。過去に副作用を経験したフェレットでは、接種しないという選択肢も否定はできません。
 海外ではジステンパーと狂犬病のワクチンが接種されますが、日本では狂犬病の予防注射はほとんど行われていません。いずれのワクチンでも副作用の報告があり、時には重篤な状態になる例もあるようですが、これは犬猫でも同様です。犬猫に比較して副作用の頻度がどの程度かは明らかではありません。
 ワクチンの副作用の症状としては、軽度の場合にはアレルギー反応に準じますが、重度の場合は虚脱、チアノーゼ、多呼吸、呼吸困難、嘔吐などを呈することもあります。副作用に対応して接種後30分ほど病院に留まることが勧められることもありますが、軽度のアレルギー反応が数時間後に出る場合もあります。
 副作用に対しては、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン塩酸塩0.5-2 mg/kg IVまたはIM)およびエピネフリン20 ug/kg IV, IM, SC、デキサメサゾン2-4 mg/kg IVが処方例として示されています。抗ヒスタミン剤がワクチン接種前に投与されていた場合には、同じ薬剤の再投与には注意が必要です。
 重度の副作用では入院管理の上、ショックに対する治療がが必要となります。静脈留置を行い輸液を行いますが、ショックに対する用量として等張晶質液(乳酸リンゲル液や生理食塩水など)22~44 ml/kg/h を投与します。晶質液で反応が見られない場合は膠質液を投与します。輸液過剰には十分注意します。

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