スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←医原病 →フェレットの救急疾患
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png フェレット
  • 【医原病】へ
  • 【フェレットの救急疾患】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

フェレット

インスリノーマの内科療法

 ←医原病 →フェレットの救急疾患
インスリノーマの内科療法

 インスリノーマにより低血糖症状を呈しているフェレットに対しては、第一には食事管理や投薬治療が必要となります。内科療法によりコントロールが困難な症例については外科処置ももとめられることもあり、また、外科処置後に低血糖が再発した場合には内科療法が中心となります。飼い主が外科手術を好まない場合にも内科療法が選択されます。

 インスリノーマの内科療法には、プレドニゾン単独またはジアゾキシドとの併用療法がおこなわれています。糖質コルチコイドは肝臓における糖新生とグリコーゲン分解によりインスリンの作用に拮抗して、細胞でのグルコースの取り込みを低減させる機能を持ちます。ジアゾキシドは抗利尿作用を持つベンゾサイアジアザイドで、β細胞からのインスリン分泌を直接抑制し、細胞でのグルコースの取り込みを阻害します。多くの罹患フェレットの第一選択はプレドニゾンですが、症状の再発を見る場合にはジアゾキシドが追加されます。フェレットは比較的ステロイド耐性があり犬猫に見られるような多飲多尿などの副作用がみられないため、プレドニゾンが第一選択とされやすいようです。これに対してジアゾキシドでは嘔吐、食欲不振、沈うつなどの副作用が報告されていますが、食物と同時に投与することで軽減が可能とされています。骨髄抑制、高ナトリウム血症に伴う体液貯留などの重篤な副作用の報告は稀のようです。フェレットにおいてはジアゾキシドの使用に際しては、併発疾患として心筋症の有無に注意するよう指示されています。
 プレドニゾンおよびプレドニゾロンの投与量は0.25–1.0 mg/kg,po,bidから始め、効果に応じて2 mg/kgへ増量します。高容量では免疫抑制が起こる可能性があるため、注意が必要です。ジアゾキシドを併用する場合は5mg/kg,po,bidで当初投与し、最大量は30 mg/kg,po,bidとされています。
 
 インスリノーマのフェレットでは、状態が落ち着いていても血糖値を少なくとも3カ月ごとに検査した方がよいでしょう。陥りがちな間違いとして、検査結果に注視しすぎて血糖値の変化に対応して治療を行い、患畜をみていないことが往々にしてあるようです。臨床症状を管理することが重要であって、血糖値を正常に保つことに固執してはいけません。血液生化学検査装置で測定をすることが好ましいですが、ポータブル型の血糖計も利用できます。現在購入できる簡易型の血糖計はヒトの糖尿病患者用に調整されていて、犬猫など動物に使用するうえでは、ごく高い血糖値またはごく低い血糖値では正確性に欠けることが知られています。少量の血液検体では評価に限界があるものの、ポータブル血糖計は簡易検査として使用し、血液生化学県装置により確定診断を行うようにするとよいでしょう。
 急性の低血糖発作においては、50%ブドウ糖を静脈内へゆっくりと投与することで血糖値を維持させようにします。2.0ml以上の投与は、腫瘍からのインスリンの放出を刺激してしまうため避けるべきとされています。初期のブドウ糖投与に続いて、入院管理下で2.5-5%ブドウ糖による輸液を継続します。反復的にけいれん発作を起こす場合はジアゼパム投与を考慮します(0.5–1.5 mg/kg/h CRI)。治療に反応せず 、昏睡やけいれんが持続する場合は、予後不良とされています。自宅で発作を起こし、ただちに動物病院を受診できない場合には、コーンシロップのような砂糖液や蜂蜜を歯肉に塗って与えてもよいでしょう。そのうえでただちに動物病院を受診してください。この方法は血糖値を維持する目的で行うべきではなく、多量に与えると反動によりインスリン分泌が亢進され、より重度の低血糖を招くこともあります。

オクトレオチド酢酸塩
 ソマトスタチンは脳の視床下部、膵臓のランゲルハンス島D細胞、消化管の内分泌細胞(D細胞)などから分泌されるポリペプチドホルモンです。下垂体からの成長ホルモンの分泌の抑制、ランゲルハンス島からのインスリンおよびグルカゴンの産生・分泌の抑制、消化管からの栄養吸収の抑制、セクレチン・ガストリン、胃液、胃酸の分泌の抑制などの作用を持っています。オクトレオチド酢酸塩(Sandostatin, Novartis)は長時間作用型のソマトスタチンアナログで、ヒトのインスリノーマ患者での使用報告があります。獣医領域でのオクトレオチドの使用報告は限られていて、その結果もまちまちです。低血糖を繰り返す犬の患畜でおよそ半数に効果があるとされています。フェレットでも他の治療法で低血糖が繰り返される場合に有効性であったとする記述が一部にありますが、効果が得られなかったとする記載もあります。
 投与量としては1-2 μg/kg,sc,bid-tidとする報告があります。この薬剤は高額ですが、フェレットの体重は犬猫に比較すると軽量なので、投与量も限られ、臨床的に使用することは非現実的ではないと思われます。(100㎍=2987円)
 ソマトスタチンは比較的安全性が高いといわれていますが、注射薬であることから、連日複数回の投薬が障害となるかもしれません。

ストレプトゾシン
 ストレプトゾシン(Zanosar, Teva Pharmaceuticals)はアミノグリコシド系抗腫瘍性抗生物質で、膵臓ランゲンハルス島のβ細胞を特異的に破壊し、その結果インスリンの分泌が停止するため、動物に実験的に糖尿病を引き起こすことができます。刺激性が非常に強いため静脈内投与が必須です。この薬剤を単独で投与すると急性の腎障害を呈することがありますが、投与前から輸液を開始し、投与後もしばらく継続することで安全に投薬可能とされています。
 フェレットに対する使用例は報告が無く、他の動物の投与症例から外挿して投与量を決定するほかはありません。
 
References:
1. Nelson RW, Salisbury SK. Pancreatic beta cell neoplasia In: Birchard SJ, Sherding RJ, eds. Saunders’ Manual of Small Animal Practice. 2nd ed. Philadelphia: WB Saunders, 2000;288–294.
2. Feldman EC, Nelson RW. Beta-cell neoplasia: Insulinoma In: Feldman EC, Nelson RW, eds. Canine and Feline Endocrinology and Reproduction. Philadelphia: Saunders Elsevier, 2004;616-644.
3. Kintzer PP. Insulinoma and other gastrointestinal tract tumours In: Mooney CT, Peterson ME, eds. BSAVA Manual of Canine and Feline Endocrinology. Quedgeley, Gloucester: British Small Animal Veterinary Association, 2012;148-155.
4. Meleo KA, Peterson ME. Treatment of insulinoma in the dog, cat, and ferret In: Bonagura JD, Twedt DC, eds. Kirk's Current Veterinary Therapy, Volume XV. Philadelphia: Saunders Elsevier, 2013.
5. Leifer CE, Peterson ME, Matus RE. Insulin-secreting tumor: diagnosis and medical and surgical management in 55 dogs. J Am Vet Med Assoc 1986;188:60-64.
6. Nelson RW, Foodman MS. Medical management of canine hyperinsulinism. J Am Vet Med Assoc 1985;187:78-82.
7. Olefsky JM, Kimmerling G. Effects of glucocorticoids oncarbohydrate metabolism. Am J Med Sci 1976;271:202-210.
8. Chap Z, Jones RH, Chou J, et al. Effect of dexamethasone onhepatic glucose and insulin metabolism after oral glucose in conscious dogs. J Clin Invest 1986;78:1355-1361.
9. Moore GE, Hoenig M. Effects of orally administeredprednisone on glucose tolerance and insulin secretion in clinically normal dogs. Am J Vet Res 1993;54:126-129.
10. Tabachnick, II, Gulbenkian A. Mechanism of diazoxide hyperglycemia in animals. Ann N Y Acad Sci 1968;150:204-218. Koch-Weser J. Diazoxide. N Engl J Med 1976;294:1271-1273.
11. Paulissian R. Diazoxide. Int Anesthesiol Clin 1978;16:201-237.
12. Meleo K. Management of insulinoma patients with refractory hypoglycemia. Prob Vet Med 1990;2:602-609.
13. Parker AJ, Musselman EM, O'Brien D. Diazoxide treatment of canine insulinoma. Vet Rec 1981;109:178-179.
14. Maton PN. The use of the long-acting somatostatin analogue,octreotide acetate, in patients with islet cell tumors. Gastroenterol Clin North Am 1989;18:897-922.
15. Simpson KW, Stepien RL, Elwood CM, et al. Evaluation of the long-acting somatostatin analogue octreotide in the management of insulinoma in three dogs. J Small Anim Pract 1995;36:161-165.
16. Meyer DJ. Temporary remission of hypoglycemia in a dog with an insulinoma after treatment with streptozotocin. Am J Vet Res 1977;38:1201-1204.
17. Moore AS, Nelson RW, Henry CJ, et al. Streptozocin for treatment of pancreatic islet cell tumors in dogs: 17 cases (1989-1999). J Am Vet Med Assoc 2002;221:811-818.
18. Bell R, Mooney CT, Mansfield CS, et al. Treatment of insulinoma in a springer spaniel with streptozotocin. J Small Anim Pract 2005;46:247-250.
19. Northrup NC, Rassnick KM, Gieger TL, et al. Prospective evaluation of biweekly streptozotocin in 19 dogs with insulinoma. J Vet Intern Med 2013;27:483-490.
20. Tobin RL, Nelson RW, Lucroy MD, et al. Outcome of surgical versus medical treatment of dogs with beta cell neoplasia: 39 cases (1990-1997). J Am Vet Med Assoc 1999;215:226-230.
21. Polton GA, White RN, Brearley MJ, et al. Improved survival in a retrospective cohort of 28 dogs with insulinoma. J Small Anim Pract 2007;48:151-156.
スポンサーサイト


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png フェレット
  • 【医原病】へ
  • 【フェレットの救急疾患】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【医原病】へ
  • 【フェレットの救急疾患】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。