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フェレット

フェレットの炎症性腸疾患

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消化器疾患の中で、近年この疾患が疑われる例が増えてはいるようですが、よくわかっていない病気でもありますので、別稿としてみました。

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 フェレットの炎症性腸疾患は胃腸管にみられる慢性炎症性疾患であり、重症例に至ることもあります。100頭以上のフェレットで行われた臨床試験で、フェレットには多くみられる疾患で、死に至る場合もあることが明らかとなりました。IBDには好酸球性胃腸炎およびリンパ形質細胞性のふたつのタイプが知られていて、好酸球性胃腸炎は重度に到るが発症例は多くないとされています。この疾患の特徴として、罹患フェレットの多くは臨床徴候を現さないことから、獣医師は本疾患を見すごしてしまうことも多いとされます。さらにIBDをECEやヘリコバクター感染、アリューシャン病などと誤診してしまうこともあります。
 IBDの治療が行われなければ、リンパ腫やその他の疾患を併発して死に至る例もあります。IBDに対して積極的な治療を行われたフェレットは、相当期間生存して、近接するリンパ節がリンパ腫に非常に近い状態にまで至っていても、長期生存が可能とされています。

原因
 IBDは、何らかの原因で免疫系が刺激され、胃や腸の内膜を攻撃することによって消化管に長期間にわたって傷害を及ぼすものとされ、二次的に肝臓が炎症を起こすこともあります(肝炎)。IBDの特定の原因については明らかとなっていませんが、食物アレルギーが最も誘因として考えられるとする獣医師もいます。その他、ウイルス性疾患や寄生虫感染も原因として疑われます。胃炎に関してのこれまでの研究では、H. mustelaeが原因とされることが多かったのですが、近年の研究では、胃に障害のあるフェレットから得られた組織の広汎な病理検査で、H.mustelaeが見られることは稀とされています。そのため成フェレットではH. mustelaeが胃疾患の主な原因となることは多くないと思われます。

診断
症状
 軽度のIBDでは臨床症状は見られないこともあります。IBDに罹患すると、慢性的な削痩がみられるが、活発さは残っていることもあるためです。歯ぎしりをしたり、口元を前足で掻くしぐさなどの嘔気症状がみられることが多いですが、重度のIBD罹患フェレットでさえ臨床症状が見られないこともあると言われます。臨床症状としては、不規則な排便、固形便、粘液便、水様便、緑色便、タール状便などがみられることもあります。便の性情は軟便であったり、ワックス状であったり、あるいは患畜が突然重度の下痢を排泄し、全体的な体調不良、沈鬱、衰弱などを伴うこともあります。

 下痢と嘔気は消化管内での二次的な細菌の過剰な増殖に伴うもので、消化管が障害を受けたことによって有害細菌が優位となり異常増殖したことによるものと考えられます。大多数のIBD患畜で臨床症状から細菌の異常増殖が疑われ、抗生物質による治療により改善がみられます。細菌の異常増殖により突然発症した下痢は抗生物質の投与により改善がみられますが、IBDが改善されない限り、再発を見ることが多いです。

続発症
 IBDは胃および腸に障害を与え、重度の場合には消化機能に影響し、体重の減少を見ることもあります。肝臓に炎症を起こすことも多く(肝炎を生ずるフェレットの多くはIBDを併発している)、この炎症が上行性に食道におよぶこともあります(巨大食道症の一部はIBDと直接的な関連が疑われる)。炎症により胃の収縮が弱まり、胃内容の排出が遅れ、その結果IBD罹患フェレットはより毛球症も起こしやすくなるとされます。もっとも重要な点は、IBDはフェレットの腹部リンパ腫の主要な原因と考えられている点です。ヒトにおいてはIBDからリンパ腫への進行についての報告がありますが、フェレットでも同様の機序が考えられます。IBDに罹患した胃や腸の周囲にあるリンパ節は、波及的に炎症を起こして腫大します。長期に及ぶと、炎症を起こしたリンパ節や胃、腸でリンパ腫を発症することもありますが、この時点まで経過すると、通常病態は致死的です。

 
血液生化学検査
 臨床症状はIBDの診断に重要なものですが、IBDに罹患していても臨床症状を呈しないフェレットも多いです。通常の健康診断、また他の疾患での血液検査で、明らかとなる例もあります。リパーゼの上昇 (>500 U/L 、IDEXX検査センター)は、胃炎を疑います。この場合でもアミラーゼは正常域であることも多いです。グロブリンの上昇(>3.0 g/dL)は炎症反応を示唆し、ALTの上昇(> 200 U/L)は肝炎を疑います。
 
生検
 胃、腸、リンパ節の生検によりIBDは診断できるとされています。重症度およびIBDの型判定も行われます。フェレットは内視鏡では十分な生検材料の採取は難しく、正確な診断には、外科的に開腹手術を行って、採取することが必要です。

治療
 食物アレルギーが疑われる場合は、低アレルギー食(Hill’s Z/D® 猫用)などが有用です。投薬治療としては現在のところコルチコステロイドなどの抗炎症薬による治療が最も有効とされています。しかしコルチコステロイドの長期投与では副作用の危険性もあり、肝炎を伴う場合などではプレドニゾンが有効でない例もあります。アザチオプリン(Imuran®)は副作用はほとんど見られず、有効性も高いとされています。0.3 mg/kg、24時間毎または0.9 mg/kg 48-72時間毎の投薬が多くのIBD症例で有効と報告されています。重度または再発性の症例では、投薬量は0.9 mg/kg 1日4回まで増量可能です。アザチオプリンの増量を行った場合、3-4週後にCBCを実施し、投薬を継続している間は3-4カ月ごとに実施した方がよいでしょう。同時にリパーゼやグロブリン値の検査も同様に行います。通常、治療は生涯にわたって行う必要があります。



RESOURCES
1. Bell JA. “Helicobacter mustelae gastritis.” In, Hillyer ED, Quesenberry KE, eds, Ferrets, Rabbits, and Rodents: Clinical Medicine and Surgery. WB Saunders, Philadelphia, Pennsylvania, 1997.
2. Fox JG. Biology and Diseases of the Ferret, second edition, Lippincott Williams & Wilkins, Baltimore, Maryland, 1998.
3. Fox JG, Correa P, Taylor N, et al. “Helicobacter mustelae Associated Gastritis in Ferrets.” Gastroenterology 1990; 99:352-361.
4. Williams BH, Kiupel M, West KH, et al. “Coronavirus Associated Epizootic Catarrhal Enteritis in Ferrets.” JAVMA 2000; 217:526-530.

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