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フェレット

鎮痛と麻酔

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鎮痛と麻酔


鎮痛剤
 フェレットが飼育動物として多く飼育されるようになり、犬猫同様より高度な医療行為が求められるようになっている。種々の急性慢性疾患、腫瘍、外傷、外科手術などに際しての疼痛管理も重要な獣医療行為となってきている。
 現時点ではフェレットにおける麻酔薬・鎮痛薬の薬理学・薬力学的な基本定法、薬効、安全性などについての情報が十分ではない。これらの点については、その他の動物で得られている情報や経験から外挿して用いるしかない。


痛みの徴候
 痛みが生じているフェレットにみられる徴候としては、食欲の低下、体動の低下、鳴き声、特定部位をしきりになめたり噛んだりする行為、下痢などがみられる。
 疼痛が強すぎると、フェレットはあたかも麻痺を起したかのような状態になることがある。フェレットにみられる後駆麻痺ではインシュリノーマをまず頭に浮かべることが多いが、このようは状態のフェレットの中には痛みが原因となっている例もあるので、考慮する必要がある。


オピオイド
 獣医領域では、重度ないし中等度の疼痛に対する鎮痛薬としてはオピオイドが用いられる例も増えていると思われる。フェレットでもブトルファノール、ブプレノルフィン、モルヒネ、ハイドロモルフォン、オキシモルフォン、フェンタニルなどの使用が報告されている。しかしフェレットではこれらの薬剤に対する反応がやや異なっている部分もあり、使用については考慮が必要である。
 沈うつ、呼吸抑制、消化管うっ滞などの副作用も心配されるが、鎮痛剤の有効性はこれらの副作用によるデメリットを上回るものである。硬膜外への投与または持続点滴などで投与することで、副作用は最小限にとどめることもできる。
 フェレットでは鎮静剤に対する感受性が高いとする報告もあることから、低用量で投与することが推奨される。
 
 ブトルファノールおよびブプレノルフィンに関して、フェレットでの薬理学的な検証は十分なされているとは言えないが、一部に処方例は提示されている。フェレットではこれらの薬剤での鎮痛効果は限定的で、鎮静剤として用いられることが多いとする報告もある。
 経験的に両薬剤の鎮痛効果はおよそ6-10時間持続するとされている。猫では経粘膜投与の報告があるが、フェレットでも この投与法は可能であると考えられる。しかし学術的に裏付けられてはいない。
 フェレットではモルヒネは比較的呼吸抑制を起こしやすい事から、連用は控えられることが多い。しかし、硬膜外投与については比較的副作用も少なく、後駆の鎮痛目的に使用できる。硬膜外に投与されたモルヒネの効果は最長24時間程度持続するといわれている。
 ブプレノルフィンの注射薬は粘膜を経由しても吸収されるため、舌下や頬袋内、直腸内に投与することでも有効である。
 ブトルファノールに関しては、体温の上昇を伴うという報告が一部にあり、他のオプションが可能であれば使用は控えた方がよいとする記述も見られる
 ハイドロモルフォン、オキシモルフォンの鎮痛効果はモルヒネと同様で、副作用は少ないとされている。いずれもフェレットでは皮下投与が可能で6時間程度十分な鎮静効果が得られる。
 フェンタニルは短時間作用型のオピオイドで、主に持続静脈内投与により術中の疼痛管理などに用いられる。


非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は鎮痛効果は高く、副作用も少ない事から獣医領域では多く用いられる鎮痛剤である。しかし、フェレットでは肝機能や腎機能の低下している個体や循環に障害が生じている場合などでは使用は勧められていない。
 猫がイブプロフェンに対して中毒を起こしやすい事は知られているが、フェレットもまた犬に比較して中毒を生じやすいという指摘も一部にはある。その程度は犬と同等であるとする報告もある。またフェレットでは明らかに雌における副作用が低用量でも発症することが知られている。いずれにしても犬猫に比較して体格が小さいことから、イブプロフェンの誤食を起こした場合などには、剤形が錠剤であれば体重当たりの摂取量は大きなものとなり、中毒症状は発現しやすくなる。
 イブプロフェンを誤食したフェレットには沈うつ、昏睡、運動失調などの神経症状が多くみられ、次いで下痢嘔吐などの消化器症状がみられる。急性中毒としては220 mg/kgでの死亡例が報告されており、長期投与例では25mg/kg、13日間での死亡例がある。
 フェレットは人用の薬剤に時には強い副作用を示し、アセトアミノフェン、ナプロキセンなどでも報告がある。重度の外傷や手術後の鎮痛剤としてはオピオイドがよいとする報告もある。
 メロキシカムは投与の簡便性や安全性から現在最も多く使用されているNSAIDs と思われる。しかしフェレットではいくつかのNSAIDsに対して感受性が高いとの指摘があり、注意が必要と思われる。


フェレットの麻酔
 犬猫同様に、どのような目的であっても、麻酔を施す場合には何らかの方法での輸液は必要である。


絶食
 麻酔をかける際には事前の絶食が必要である。フェレットは食物の消化管通過時間が短いとされ、長時間の絶食は避けるように指示されている書籍が多い。絶食時間に関しては8時間程度とするものから、3時間程度で十分とするもの、更に短時間でよいとするものまでさまざまである。
 患畜の状態にもよってこの絶食時間は異なるのは当然だが、健康な動物であっても反応は一定ではない。麻酔をかける場合には、可能であれば数時間前から院内で管理し、糖液で輸液を行っておくとよい。特にインシュリノーマなど基礎疾患を持つ個体や、高齢の個体ではこのような管理が必要と思われる。


麻酔前投薬
 他の動物種同様、麻酔前投薬は有用であり、導入・維持用の薬剤の用量を低減できる。他の動物種同様、鎮痛剤は有用であり、導入・維持用の薬剤の用量を低減でき、覚醒も早くなることが期待できる。
 疼痛管理も重要である。先取り鎮痛も有用であり、塩酸リドカイン、ブピバカインの局所投与などが報告されている。
 薬物による不動化は解離性麻酔薬、トランキライザー、オピオイド、ベンゾジアゼピンなどが用いられる。ケタミンは用量依存性に鎮静から不動化が可能だが、鎮痛効果は低い。ケタミンにキシラジンまたはジアゼパムを併用することで、鎮静、筋弛緩、鎮痛などの効果が増強されるが、ジアゼパムでは鎮痛効果は得られない。
 ケタミン単独またはケタミンとジアゼパムの併用では覚醒期にpaddling を生ずる。ケタミンとキシラジンの併用ではこのような反応は生じない。アセプロマジン(0.3 mg/kg,im)とケタミン(30 mg/kg,im )では血液検査に十分な鎮静が得られた。ケタミン(15 mg/kg,im)とミダゾラム(0.4 mg/kg,IM)では静脈カテーテル留置や麻酔前投薬として十分な鎮静が得られた。アセプロマジン(0.1 mg/kg,im,sc)とブトルファノール(0.2 mg/kg,im,sc)でも十分な鎮静、筋弛緩が得られた。チレタミン-ゾラゼパム(12~22 mg/kg,IM)では十分な不動化が得られたが、鎮痛効果は弱かった。より高用量では良好な筋弛緩が得られた。
フェレット程度の小型の動物において、筋弛緩は大きな問題とはならないために、神経筋遮断薬を用ることは稀である。

鎮静剤

 

アセプロマジンmg/ kgim,sc

0.1- 0.3

0.1-0.25

0.1-0.5

ジアゼパム  mg/ kgim,iv

0.5-2.0

3.0

0.5-2.0

ミダゾラム mg/kgim,sc,iv

0.5-2.0

1.0

0.25-0.5

メデトミジン mg/kgim,sc

0.08-0.2

0.08

0.1-0.2

ケタミン mg/kgim,sc

5-15

10-20

5-50

ブトルファノール mg/kgiv,im,sc

0.1-0.4,q2-4h

0.05-0.5, q4h

0.05-0.4,q4-6h

ブプレノルフィン、mg/kgiv,im,sc

0.01-0.03,q6-10

0.01-0.05,q4h

0.01-0.05,q8-12h


       1. Handbook of Veterinary Pain Management
       2. Veterinary Clinics of North America -Exotic Animal
       3. Ferrets, Rabbits, and Rodents, 3rd Edition
 
導入
 導入箱(チャンバー)あるいはマスクなどを用いて吸入麻酔薬(イソフルランなど)での導入が最も多く用いられている方法だと思われる。
 静脈の確保は必ず行うべきであるが、導入前に行うか導入後でもよいかはそれぞれの動物の状態に応じて判断するべきだろう。部位としては橈側皮静脈を用いることが多いと思われるが、体格の大きな個体では外側伏在静脈でも可能である。導入後に行う場合であれば極力早急に実施すべきある。フェレットの四肢は短く太いため、駆血がやや困難である。市販の駆血体帯では使いにくい場合は、適宜自作されて応用するとよいだろう。フェレットの皮膚は硬く、多くの場合は留置する際には注射針などで小口を設ける必要がある。
 プロポフォールは呼吸抑制を起こすことが考えられるため、使用に当たっては気管挿管が前提となる。
フェレットは非常に細長い体系で、麻酔下で仰臥位にするとわかるが意外と薄っぺらくも感じる。そのためか体温の低下を招きやすく、時には保温が必要となることもある。輸液剤も加温して投与したほうがよい。極力麻酔時間を短く終わらせることも重要である。体温の低下は麻酔からの覚醒も遅延させることにつながる。
 フェレットの体系が小さいことから、緊急薬の調整は事前に用意しておいた方が好ましいと思われる。多くは使用することなく廃棄となると思われるが、どのような処置における麻酔でも用意したほうがよい。
 フェレットの麻酔導入法としては、下記のような処方例が示されている。
 アセプロマジンまたはブトルファノール前投薬の後、ケタミン/ジアゼパムまたはチオペンタール投与によって、気管挿管が可能とされている。前投薬の後プロポフォールの静脈内投与によっても気管挿管が可能とされる。
 ケタミンは筋肉内投与が可能であり、種々の薬剤とともに用いられて有効性が認められている。ジアゼパムとの併用で十分な筋弛緩が得られ、用量に応じて鎮静から麻酔まで可能である。
 ケタミンとキシラジンの併用については、一部死亡例の報告があることから控えた方がよいと考えるものもある。

使用例

ケタミン30mg/kg+キシラジン2mg/kg+アセプロマジン0.05mg/kg+アトロピン0.05mg/kg

IM

メデトミジン0.08mg/kg+ケタミン5mg/kg

IM

メデトミジン0.08mg/kg+ケタミン5mg/kg+ブトルファノール0.1mg/kg

IM

プロポフォール2~5mg/kg

IV

チペンタール(2%) 8~12mg/kg

IV



麻酔時のモニタリング
 フェレットでも小型の猫に使用できるものであれば、種々のモニタリング装置が利用できる。一般的にはパルスオキシメーターを用いることが多いかと思うが、フェレットは心拍数が早い事から機器によって使用の可否はまちまちであろうと思われる。近年反射型センサーというものが市販されており、これを用いることが可能とも言われている。重篤な患畜や長時間に及ぶことが想定される手術の場合、体温のモニタリングに加え、パルスオキシメーターおよびカプノグラフを用いるとより好ましい。患畜は保温マットを用いてケージで回復させ、注意深くモニタリングを続ける。必要があれば、集中治療用ユニットで管理する。これによって患畜の回復を早めることが可能である。
 パルスオキシメーターのクリップタイプのセンサーを用いる場合は、長時間圧迫を続けることで部分的に血流を阻害し、測定値に影響を及ぼす可能性があるため、部位の移動を適宜考慮する。
 クリップタイプのセンサーについてはフェレットでは舌ではうまく動作せず、四肢への装着を勧める記述もみられる。
 小型のカフを用いることで非観血的血圧測定が可能な場合も明日。装着部位としては上腕、大腿、尾根部などを用いる。


麻酔の維持
 吸入麻酔薬としてはイソフルランまたはセボフルランが主に用いられる。セボフルランは導入覚醒がより早いとされているが、大きな差異はないとする報告もある。ハロタンに比較すると心筋への負の変力作用を及ぼすことが少ないとされている。
上記したように基礎疾患などを考慮して、維持輸液にも2.5~5%の糖液での輸液を行うとよい。
 麻酔回路としては非再呼吸性回路が推奨される。フェレットの 一回換気量はい小さいために、閉鎖循環式麻酔回路では安定的に麻酔を維持することは困難である。
 術後の疼痛管理も非常に重要である。
 外科手術後の疼痛管理としてはオピオイドが最も適している。NSAIDや手術時に局所麻酔を併用することでより効果的に鎮痛がはかれる。
 フェレットで用いられているオピオイドとしては、ブトルファノール、ブプレノルフィン、モルヒネ、フェンタニルなどがある。
 NSAIDSではメロキシカムは多く用いられている。リドカインおよびブピビカインは局所麻酔薬として使用されている。
 ブプレノルフィンは6~8時間程度の鎮痛効果が得られるようであるが、ブトルファノールの鎮痛効果はやや短い。


References
  • Ferrets, Rabbits, and Rodents, 3rd Edition Saunders
  • Handbook of Veterinary Pain Management – Mosby
  • J Vet Emerg Crit Care 2001;11(1):53-59
  • MANUAL OF EXOTIC PET PRACTICE , Saunders
  • Journal of Exotic Pet Medicine Vol.7,No.1,Jan.1998
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